文書作成日:2024/08/05
長生きの鍵は、自分は若いと感じる主観年齢にアリ!

病は気からという言葉があるように、「自分は若い」と感じる気持ちは健康面に良い影響を与えるようです。今回は、主観年齢という概念を用いて長生きの秘訣について紐解いていきます。

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主観年齢とは?

 主観年齢という言葉をご存じでしょうか。主観年齢とは、自分自身が何歳かと感じる主観的な年齢のこと。60歳の方の多くが、自分を55歳や50歳など実年齢より若いと感じているそうです。ある大学の研究によると、40代の方は自分の主観年齢を実年齢よりも4、5歳下に、50代〜60代の方は実年齢より6歳下に、70代の方は実年齢より6、7歳下に感じるという結果が報告されています。年代が上がるほど、実年齢と主観年齢の差が開いていく傾向があるようです。

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若いと思う人は脳も若い!

 「自分は若い」と感じる気持ちは、長期的な健康をもたらすとされています。主観年齢が実年齢より若い人ほど、いろいろなことに挑戦しようという気持ちがあるので、生活満足度が高く、認知症リスクやうつ病にかかる可能性が低く、結果長生きしやすいといわれています。

 畿央大学(奈良県)の主観年齢と要介護状態との関連を調べる研究によると、自分を実年齢よりも上だと感じていた人達は、3年後の追跡調査で「実際の年齢より若い」と思っていた人達より3倍も要介護認定になる割合が高いという結果がでました。自分の主観年齢をどう捉えるかで身体の状態も変化するようです。

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主観年齢を若々しく保つために!

 主観年齢を若く保つことは、いつまでも元気で長生きするコツだといえます。ではどうしたら、主観年齢を若く感じることができるのでしょうか。ハーバード大学で行われた実験では、70代になる人達を22年前の生活空間にリフォームした建物の中で5日間共同生活をしてもらいました。

 その結果、姿勢が良くなった、視力がアップした、見た目が若くなった、考え方が柔軟になったなど、さまざまな若返り効果がみられたそうです。自分の若い頃の空間に身を置いて「若い自分」を思い出すことは、脳に嬉しい変化をもたらします。

 主観年齢を若く保つ方法としては、もう年だからとあきらめないこと。実際に若々しい恰好をしてみる、肌や髪を整えるなど、自分を昨日よりちょっと若くしてみること。鏡を見るたびに若々しい自分を確認することで、脳を若いと信じこませれば身体の若返りも期待できるはずです。

 「自分は実年齢より10歳若い」といきなり感じることは無理でも、1〜2歳は若いかもと思えるところから始めてみてはいかがでしょうか。そう信じこむことで、選ぶ服や行動範囲にも変化が生まれ、少しずつ良い影響がみられるようになるかもしれません。

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